C++17 finally相当処理はRAIIで代替レビュー|スコープ離脱保証責務をレビューアーが設計読み解きする実務技術
この記事のポイント
- finally構文不在のC++におけるRAII設計をレビューアーが読み取る技術を体系化
- スコープ離脱保証の実務設計責務をレビュー支援で明文化可能にする
- finally相当処理をRAII設計に統一変換し安全設計に導けるレビュー力を習得
そもそもfinallyとは何か
C++はfinally構文を持たないが、Java・C#・Pythonなどではfinally節で後始末を保証する構文が存在する。
try {
// 本体処理
} finally {
// 後始末
}- 正常系/例外系の両経路で必ず実行
C++ではRAII (Resource Acquisition Is Initialization)というスコープ離脱保証設計でこれを代替する。
レビューアーは「ここでfinally的保証責務をRAIIで安全化できるか?」を常に設計観点で読み取る。
なぜこれをレビューするのか
- finally的責務保証が設計者によって毎回コーディング分岐化されやすい
- 例外経路漏れが混入しやすい
- finally的責務が冪等設計不備で副作用を起こす危険設計が頻発
- RAII統一設計で責務分界をレビューで固定化支援できる
レビュー段階でRAII統一文化を作れるかが現場設計品質を大きく左右する。
レビューアー視点
- このfinally相当処理はRAII化可能か?
- 副作用位置をスコープ先頭/末尾に整理可能か?
- 冪等保証・二重呼出抑止が設計統合されているか?
- close/dispose責務が漏洩しないRAII化が行われているか?
- 例外安全をスコープ構造だけで保障できるか?
開発者視点
- スコープ侵入でリソース獲得
- スコープ離脱で自動解放
- リソース管理責務をコンストラクタ/デストラクタ内に統合
- 明示呼出は原則排除(例外は明示的release提供型)
RAIIの基本構造例
基本RAII構造
class FileHandle {
public:
FileHandle(const std::string& path) {
file_ = fopen(path.c_str(), "w");
}
~FileHandle() {
if (file_) fclose(file_);
}
private:
FILE* file_;
};
void save() {
FileHandle f("data.txt");
// 処理
}- 例外経路でも必ずfclose実行保証
finally構造での問題点比較
finally構造模倣
FILE* file = fopen("data.txt", "w");
try {
// 処理
} catch (...) {
fclose(file);
throw;
}
fclose(file);- 例外経路分岐を都度記述 → 読解困難
レビューアーはRAII適用余地の可読性負債をレビュー指摘可能であるべき。
レビュー観点
- スコープ侵入での即時リソース獲得統合が行われているか
- 破棄責務が明確にデストラクタ内に集約されているか
- 例外安全保証が自動構造で保証されているか
- 二重開放防止の冪等設計が組み込まれているか
- 明示close責務が混入していないか
良くない実装例: ケース1(明示close多発)
明示破棄型
FILE* file = fopen("data.txt", "w");
if (!file) return;
try {
// 処理
} catch (...) {
fclose(file);
throw;
}
fclose(file);
@Reviewerfinally責務が手動記述されています。RAII統合可能です。自動化統一してください。
改善例
改善例(RAII統一)
FileHandle f("data.txt");良くない実装例: ケース2(二重破棄)
二重破棄危険型
void closeFile(FILE* f) {
if (f) fclose(f);
}
void save() {
FILE* f = fopen("data.txt", "w");
closeFile(f);
closeFile(f);
@Reviewer二重close保護が実装依存です。RAII統合し構造的保証を優先してください。}改善例
改善例(RAII冪等保証)
~FileHandle() { if (file_) fclose(file_); }良くない実装例: ケース3(例外経路漏れ)
例外経路抜け型
FILE* file = fopen("data.txt", "w");
write(file);
fclose(file);
@Reviewerwrite内例外発生時にfcloseが漏洩します。RAII統合が必要です。
改善例
改善例(例外安全保証)
FileHandle f("data.txt");
write(f);PlantUML:RAIIスコープ保証責務図
高頻度RAII適用候補一覧
| リソース種別 | 代表例 |
|---|---|
| ファイル | FILE*, fstream |
| メモリ | new/delete → unique_ptr |
| ミューテックス | std::lock_guard |
| データベース接続 | Connectionオブジェクト |
| ソケット | Socketハンドル |
レビューアーはRAII化対象自動判別能力を日常的に身につける。
スコープ離脱保証失敗パターン分類
| 失敗分類 | 典型設計誤り |
|---|---|
| 例外漏洩 | catch書き忘れ |
| 二重破棄 | 冪等設計不在 |
| 早期return漏洩 | 複数return経路設計 |
| goto分岐破壊 | 後始末飛ばし事故 |
レビューアーは「ここはスコープ離脱保証になっているか?」を毎回レビュー確認する。
ロギング統合例(破棄失敗検出)
破棄失敗通知
~FileHandle() {
if (fclose(file_) != 0) {
logger.error("File close failed");
}
}- RAII内破棄失敗も通知統合文化形成
観点チェックリスト
まとめ
レビューアーがfinally責務RAII化レビューで常に問うべきは
「この後始末はスコープ離脱保証になっているか?」
です。
- finally排除文化 → スコープ構造活用文化
- 副作用前後整理 → 獲得即破棄保証文化
- 冪等設計 → 二重破棄安全文化
- ログ統合 → 破棄失敗通知文化
レビュー現場では
「後始末はRAII文化で統一しましょう」
をレビュー文化で徹底できる現場は設計事故が激減します。
