request-changes|コードレビューにおける変更要求の意図と運用
request-changes|コードレビューにおける変更要求の意図と運用
概要
request-changes
は、GitHubなどのコードレビューシステムで、レビューアーが修正を要求し、マージを一時停止するための公式な意思表示です。
ただの指摘コメントとは異なり、明確な拒否の意図を伴います。
GitHub上では、「Comment」「Approve」「Request changes」の3つのレビュー状態が存在します。
使用される状況
- 明らかなバグ・誤動作・テスト未通過
- 仕様との不整合
- セキュリティ・パフォーマンス上のリスク
- ドキュメント・コメントの重大な欠落
request-changes: 入力値のバリデーションが不足しており、不正アクセスが可能な状態です。
操作方法(GitHubの場合)
- PR画面の「Files changed」タブでコメントを記述
- 「Review changes」ボタンをクリック
- 「Request changes」を選択してSubmit
「Approve」はそのままマージ可、「Request changes」はマージ不可を示します。
request-changesの心理的影響
「変更を要求された」と受け止められるため、使い方を誤ると相手に強いプレッシャーを与えることがあります。
配慮した書き方の工夫
must
+request-changes
は最小限に抑える(必須修正のみ)- 指摘理由を論理的に示す(主観や好みではなく)
- トーンを柔らかく:「ここは修正必須ですが、意図は理解できます」など
request-changes: ロジック自体は良さそうですが、この処理が現在の仕様と一致しないため修正が必要です。
会話例:request-changesが必要な場面
Reviewer: このままマージすると他のAPIとの整合性が崩れるので、request-changes入れました。
Author: 承知しました。設計意図にズレがあったようなので修正します。
Reviewer: 修正必須ではありませんが、設計的に重大な懸念があります。
Author: 話し合いの上、別案を採用することにします。
チーム運用での注意点とルール化
request-changes
は「意見」ではなく「判断」として扱う- 一人だけの判断で保留が続く状態を避ける(チーム合意で解除)
- 「何を直せばApproveされるか」を明確に記載する
Team policy:
- request-changesを出す際は、必ず「マージ可能条件」をコメントに含める
- 2人以上のApproveがあれば、片方のrequest-changesは議論で解除可能
関連用語
must
:修正必須のレビューコメント表現status-check
:マージ可否を決めるCIチェックreviewer-assignment
:責任あるレビュアーの割り当てと判断基準
実務視点まとめ
request-changesは「チームの安全弁」であり、「拒絶」ではなく「品質を担保するための保留」です。
その判断には技術的根拠と対話姿勢が求められます。レビューは対立ではなく、プロダクトをより良くする協働作業であることを忘れずに使いましょう。