CODEOWNERS(コードオーナーズ)とは
CODEOWNERS(コードオーナーズ)とは
概要と役割
CODEOWNERS(コードオーナーズ)は、GitHubリポジトリにおいて特定のファイルやディレクトリに対するレビュー責任者(レビュアー)を自動で割り当てる仕組みです。
.github/CODEOWNERS
ファイルに定義することで、Pull Request(PR)が作成された際に、該当ファイルに応じた担当者が自動的にレビューリクエストを受け取ります。
この機能は、レビュー体制を明文化・自動化し、属人性を排除したレビュー運用の基盤として広く使われています。
なぜCODEOWNERSが必要なのか
大規模なリポジトリや複数チームが混在するプロジェクトでは、次のような課題が起こります:
- 誰がレビューすべきかわからない
- レビュー依頼が漏れる
- 関係ないメンバーがレビューに呼ばれる
CODEOWNERSはこれを解消するために、ファイル単位・パス単位でレビュー責任者を定義し、自動で適切なレビュアーを割り当てるという設計です。
ファイル構成と記述方法
CODEOWNERSファイルは、リポジトリのいずれかに配置します:
.github/CODEOWNERS
docs/CODEOWNERS
CODEOWNERS
記述構文(基本)
# コメント
<パス> <GitHubユーザー名 or チーム名>
実例
# フロントエンドのコードはfrontendチームが所有
/frontend/ @org/frontend-team
# READMEは特定メンバーが責任者
/README.md @user1
# すべてのファイルは全体レビューチームに
* @org/all-reviewers
チーム名は
@organization/team-name
の形式で書く必要があります。
実務運用での活用ケース
✔ レビューポリシーの明文化
チーム単位で責任範囲を明確にし、「この領域はこの人たちが守る」という分担構造を機械的に実装できます。
✔ レビュー遅延の抑制
自動でレビュアーが指定されるため、「誰が見るのか待ち」の時間を削減。
Slack通知などと組み合わせて、レビュー忘れの防止にも効果的です。
注意点と運用の落とし穴
チーム設定されていないと機能しない
- GitHub Teamsが設定されていない場合、
@org/team-name
は無効になります - プライベートリポジトリでは、Organizationプランが必要
特定のファイルだけに意図しない割当が発生することも
- 上位ディレクトリに
* @global-reviewers
を設定していると、下位の個別設定がマージされるケースあり - 記述順やパターンの解釈が複雑になる場合、公式仕様に準拠したテストが推奨されます
📘 参考:GitHub公式仕様
https://docs.github.com/en/repositories/managing-your-repositorys-settings-and-features/customizing-your-repository/about-code-owners
会話例と現場でのやりとり
DevA:
このPR、CODEOWNERSで自動で呼ばれてましたね。確認お願いします!
DevB:
フロント領域触ってるので @frontend-team が入ってるみたいですね。
まとめ:CODEOWNERSは「レビュー責任」の設計図
- CODEOWNERSによりレビュアーの自動割当が可能
- 適切な責任分担とルール設計で、レビュー効率・品質が向上
- 大規模チーム・OSSプロジェクトではほぼ必須の設定