Expressコードレビュー観点100選【ルーティング/セキュリティ対応】
Expressは柔軟性が高い反面、責務の集中・グローバルな状態管理・中間層の肥大化・セキュリティ不備が起きやすい。本記事では、ルート構成、ミドルウェア責務、非同期設計、エラーハンドリング、モジュール構成、テスト性などを軸に、Express特有のレビュー観点を100項目にわたって整理した。
✅ ルーティングと構造設計(01〜20)
✅ ミドルウェア設計と副作用制御(21〜40)
✅ ビジネスロジックとユースケースの切り分け(41〜60)
✅ 非同期処理と例外制御の安全性(61〜80)
✅ 依存関係と外部サービス設計の適切性(81〜100)
Express v5設計移行レビュー観点(補足)
Express v5では、ルーティング構造やエラーハンドリング、レスポンスAPIに非互換な挙動が含まれるため、v4系アプリの設計をv5に耐えうるよう進化させる必要があります。
非同期エラー処理の設計対応(v5では try-catch 不要)
HTTPレスポンスAPIの記法変更対応
ルーティングとミドルウェアの拡張性
テスト・互換性の備え
このチェックリストについて
このチェックリストは、「Expressで開発されたNode.jsアプリケーションにおいて、構造・責務・意図が適切に整理されているか?」をレビューアーの立場から再確認するために作成されたものです。
設計レビューにおける重要な視点
Expressは「何でも書けてしまう」自由度の高いフレームワークであるため、書き方の自由と構造的な正しさは両立しにくい傾向があります。
本チェックリストでは、単にコードの可読性や命名の良し悪しを評価するのではなく、「どの層が何の責務を持つべきか」「副作用はどこに集約すべきか」「ルート・ユースケース・依存がどこまで分離されているか」といった構造的観点に軸を置いています。
想定されるユースケース
- ExpressベースのWeb APIやBFFのコードレビュー
- フルスタックアプリケーションにおけるバックエンド設計の見直し
- 新人メンバーへの設計レビュー時の観点共有
- チームでレビュー観点を統一する際のチェックリストとしての利用
繰り返し確認してほしい設計的問い
チェックリストに正解はありません。
しかし以下のような問いは、プロダクト規模や設計方針が変わってもレビューアーとして常に意識しておくべき軸となります。
- その処理は「本当にそこに書くべきものか」?
- ロジックの位置と順序は副作用や責務に即した構成になっているか?
- 実装から逆算して「構造の意図」が読み取れるか?
レビュー観点を形式化することは、プロジェクトの知的コストを下げ、属人化を避ける第一歩です。
このリストが、Expressを使うチームの設計品質の底上げと共通言語の構築に役立てば幸いです。